図録本 茶道美術茶碗中国朝鮮実物大写真唐物表千家裏千家武者小路千家薮内流宗流遠州流曜変天目茶碗井戸茶碗御所丸茶碗高麗茶碗草人木書苑 販売

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草人木書苑 茶道美術 茶碗 中国・朝鮮
監修 千宗室 裏千家 家元 顧問 千宗左 表千家 家元 千宗守 武者小路千家 家元 藪内紹智 藪内流 家元 小堀宗慶 遠州茶道 宗家 遠州流 山田宗偏 宗偏流 家元 淡交社 1982年 初版 金箔押し布張り上製本 作品写真図版フルカラー 解説写真図版モノクロ 30.5x21.6x2.5cm 221ページ 定価記載なし

※絶版

日本の茶道六代流派の各家元・宗家が監修した、 茶道美術の正真正銘・本物中の本物、最高峰の茶道具ばかりを集めたもので、 フルカラー写真図録本全集「草人木書苑」のうちの一冊。
本書は唐物茶碗(中国・朝鮮)。 写真図版はほぼ実物大のカラー写真で、実際にそれぞれの道具を手にとって拝見するような感覚で楽しめる上、 箱書きなど付属物、伝来、寸法、古文書などの所載、道具の見どころや由緒など詳細に解説したもので、 内容充実の、茶道・骨董品・茶道具・日本美術・東洋美術など愛好家必携、大変貴重な資料本です。

【刊行のことば 千宗室】全集全体の序文 日本の茶道は、その成立の初期から今日まで、綜合的な文化体系として、日本人の生活文化の基調としての役目をはたしつづけている。 日本人固有の審美的な美意識から、茶室・茶庭といった建築空間の構成、各種道具の生活工芸としての造型、点前作法に見る坐作進退の姿勢、懐石を中心とした飲食の意匠性まで、日本人の生活基盤のなかに、ふかく根ざして、伝統的なくらしとなって生きているのである。 ところで、この茶道の真髄を把握するためには、どうしても通らなければならない関門のあることを忘れてはならない。それは、茶道を構成する道具に対する知識と鑑賞眼の琢磨である。実は、茶道の極意は、この第一の関門を初歩としながらも、これを究極とするとも言われるものである。
 目利ニテ茶湯モ上手、数奇ノ師匠ヲシテ世ヲ渡ル(茶湯者卜云、一物モ不持、胸ノ覚悟一、作分一、手柄一、此三箇条ノ調タルヲ侘数奇卜云々 唐物所持、目利モ茶湯モ上手、此三箇モ調ヒ、一道二志深キハ名人卜云也
と『山上宗二記』にあるように、茶道具の鑑賞が、古来、如何に重視されていたかがわかる。だから、今日の茶道を、文化遺産として考えるとき、精神文化さえもが、道具を中心とした造型遺産に内包されると考えてもよいのである。 このたび『茶道美術全集』の刊行を企図した。それは、茶道の造型遺産をとおして、茶道の美の真実を体系化することにある。 幸いにして、多くの読者諸賢とともに、美の宝庫の中に遊ぶよろこびをわかちあい、明日への茶道人の歩みの資たらしめんとねがうのである。
【目次より】 原色図版 曜変天目茶碗 国宝 油滴天目茶碗 重文 油滴天目茶碗 油滴天目茶碗 玳玻盞天目茶碗 国宝 玳玻盞天目茶碗(文字) 重文 玳玻盞天目茶碗(尾長鳥) 青磁天目茶碗 銘満月 青磁人形手茶碗 青磁馬蝗絆茶碗 白磁平茶碗 陰刻水禽水草文 高麗青磁平茶碗 珠光青磁茶碗 絵高麗梅鉢茶碗 絵高麗梅鉢茶碗 絵高麗梅鉢茶碗 祥瑞丸腰鎬茶碗 在銘 祥瑞沓茶碗 在銘 祥瑞州浜茶碗 山水人物文 呉須茶碗 山水文 赤絵淀屋金襴手茶碗 (高台なし) 古赤絵雲堂 鉢子茶碗 古雲鶴 銘疋田筒茶碗 (高台なし) 鬼熊川茶碗 熊川茶碗 銘花摺 熊川茶碗 銘月影 熊川茶碗 銘曲水の宴 玉子手茶碗 銘糸遊 玉子手茶碗 銘薄柿 雨漏堅手茶碗 雨漏堅手茶碗 銘白雨 堅手茶碗 堅手茶碗 銘 有来 御所丸茶碗 古田高麗 御所丸茶碗 古田高麗 御所丸茶碗 銘 夕陽 重文 御所丸茶碗 銘 ゆき 御所丸茶碗 黒刷毛 銘緋袴 御所丸茶碗 黒刷毛 御所丸茶碗 黒刷毛 喜左衛門井戸茶碗 国宝 筒井筒井戸茶碗 重文 細川井戸茶碗 重文 加賀井戸茶碗 常夏井戸茶碗 三芳埜井戸茶碗 金地院井戸茶碗 蓬莱井戸茶碗 老僧井戸茶碗 六地蔵井戸茶碗 宇治井戸茶碗 雄蔵山井戸茶碗 宝樹庵井戸茶碗 升屋井戸茶碗 隼井戸茶碗 春日野井戸茶碗 山の井井戸茶碗 総説 佐藤雅彦 中国古窯址分布図 図版解説 佐藤雅彦 中国陶磁史年表

【唐物とは より】 唐物-からものという字づらから解すると、唐の国のもの、つまり中国製の品というように受けとれる。ところが昔の日本人は、地理的な感覚に乏しかったからか、たいへん大ざっぱな定義を、この唐という称にからませていたらしい・中国のものが唐物であることは当然だが、朝鮮のものも、安南やタイ、ルソン渡りのものも、また時としてはヨーロッパのものまでも、唐物の中にぶちこんでしまっているのである。だから、唐物とは舶来品をさした言葉と見ていいだろう。 それでは、唐物茶碗といえば外国の茶碗すべてをさすかというと、そうではないのである。外国の茶碗のうちでも、朝鮮産のもの、即ち高麗茶碗のことを、唐物茶碗と主称するのである。甚だ奇妙なことだが、今日までの茶道界では、これが常識になっているのである。 こう述べてくると、恐らく疑問をさしはさまれる方が多いと思う。茶入の場合は、唐物といえば中国産のものをいうじゃないか、それなのになぜ茶碗の唐物は朝鮮なのか、と。これは当然すぎる指摘であろう。そしてこの疑点を解明することが、至って曖昧な唐物という言葉の正体をあかすことになると思う。 古くわが国に渡来した茶入は、主として南中国に産したもので、そのほかに南海諸国のものがまじる。朝鮮産のものは殆どないといっていい。そして南方産のものは、島物といって区別されるから、唐物茶入といえば中国のものに限られるのである。唐物茶入という称が、まともに中国製のそれをさすゆえんは、以上のような次第によっている(後略)
【各作品解説より】 1曜変天目 稲葉天目 大名物 国宝 付属物 箱 黒塗 文字 青貝 欅 春慶塗 書付 貼紙 被服 金地二重蔓古金襴 白地大唐草模様緞子 天目台 尼崎台 伝来 柳営御物-淀城主稲葉家-小野家-岩崎家 所載 万治三年版玩貨名物記 古今名物類聚 名物目利聞書 本屋了雲著 苦心録 五雑爼 神尾家道具明細記 群書類従本君台観左右帳記 国立博物館本君台観左右帳記 三暁庵随筆 目利草 松屋筆記 津田宗及日記 今井宗久日記 寸 法 高サ七.〇cm 口径一ニ.一cm 高台径三.九cm 同高サ〇.五cm 重サ ニハ〇g 所蔵者 東京静嘉堂 東山足利将軍家の道具蔵帳ともいうべき『君台観左右帳記』は、当時の茶碗の代表である天目をいくつかのランクにわけて登載している。その筆頭におかれたのが曜変天目で、いわば茶碗の王者ということになろう。同書に「世上になき物也」とあるとおり、きわめて特殊な焼成環境のもとでしかできないものだけに、背から至って数少なく、遺品は日本に現存する四点だけである。その四つの中でも、曜変現象が最も顕著なのがこの稲葉で、正に茶碗の最高峰と袮すべきだろう。 素地はきめが細かく、高台周辺の土見では、暗い灰褐色を呈する。形は最もオーソドックスな建盞形で、すこぶる入念につくったことは、端正きわまりない高台の削りぐあいでもにわかる。釉薬は内外とも厚くたっぷりとかかり、そのために漆黒の色沢を呈する。人工の黒曜石ともいうべきで、その肌―特に内面の―に浮びあがる大小さまざまの曜変は、秋夜の星雲にもたとえられよう。世界宝ともいうべき超名品である。曜変の技法については。総説を参照されたい。 (モノクロ写真) 箱 黒塗文字青貝 被服 金地二重蔓古金襴 箱 欅 春慶塗書付貼紙 被服 白地大唐草模様緞子 曜変 高台 41喜左衛門井戸大井戸(一名本多井戸) 名物手 大名物 国宝 付属物 内箱 黒塗金粉文字 中箱 蓋裏 伝来書付荒木一斎筆 外箱 桐白木書付 伝来 大阪竹田喜左衛門-本多能登守-堺中村宗雪-安永年間に不昧公が購入-不昧公死後、夫人静楽院が大徳寺孤篷庵に寄進 所載 古今名物類聚 伏見屋覚書 銘物集 山澄家本高麗物之部 諸家名器集 雲州公御虫払記 本屋了雲著苦心録 伏見屋宗理著 名物茶碗図会 大崎様御道具代御手控 松平不昧伝 戸田弥七氏蔵書翰 大正名器鑑 寸法 高サハ・ニーハ・九cm 口径一五・ニー一五・四cm 高台径五・三-五・五cm 同高サー・四cm 重サ三七〇g 所蔵者 京都孤篷庵 茶席の茶碗として用いられるものの最高位は井戸茶碗であり、中でも最も声名高いのが、この喜左衛門井戸である。従って茶碗の王者と称してはばかりない。 井戸茶碗の名の由来については古来もろもろの説があるが、第二巻の総論に述べるから、ここでは避ける。ただ近ごろの研究によると、およそ李朝の初めごろ、釜山の西北、泗川港の近くの晉州あたりで焼かれたものと推定されている。 この井戸は、慶長のころ大阪の竹田喜左衛門なる人物が所持していたので、その名が出た。後に彼は零落して島原の客引から乞食同然の身となったが、この井戸だけは身につけて離さなかった、というような伝説がある。それほど人を惹きつける魅力があるといえよう。大きく堂々とした椀なりに竹の節高台がつき、枇杷色の釉薬は高台脇と高台内で結粒して、いわゆるかいらぎを見せる。あらゆる約束を具備した、最高の名物井戸である。

★状態★ 1982年の、とても古い本です。 外観は通常保管によるスレ、背ヤケ、天小口に経年ヤケしみがある程度、 扉、目次ほか余白部などにも経年並ヤケしみなどありますが、 カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、 問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)

<絶版・入手困難本>オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。 古本・品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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